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札幌地方裁判所 昭和46年(わ)164号 判決

本店所在地

札幌市豊平三条九丁目一〇八番地

相互宅建株式会社

右代表者代表取締役

川村哲夫

本籍

北海道静内郡静内町字東静内五四番地

住居

札幌市真駒内一七番地

会社役員

川村哲夫

昭和八年二月一五日生

事件名

法人税法違反

出席検察官

緒方重威

弁護人 坂下誠、猪股貞雄

主文

被告人相互宅建株式会社を罰金五〇〇万円に処する。

被告人川村哲夫を罰金二〇〇万円に処する。

被告人川村哲夫においてその罰金を完納することができないときは、金五、〇〇〇円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、札幌市豊平三条九丁目一〇八番地に本店を置き、不動産の売買、宅地の造成分譲および建築の設計施工を営む資本金一、六〇〇万円の株式会社であり、被告人川村哲夫は、右被告会社の代表取締役として、その業務全般を統轄していたものであるが、被告人川村哲夫は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、収入の一部を除外し、あるいは、架空経費を計上するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ、

第一、 昭和四二年二月一日から翌四三年一月三一日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額が二〇、五四五、八九五円であり、これに対する法人税額が六、七二一、八〇〇円であるにかかわらず昭和四三年四月一日札幌市大通西一〇丁目所在の所轄札幌東税務署において、同税務署長に対し、所得金額が七、三三九、三九四円であり、これに対する法人税額は二、一二三、三〇〇円である旨の内容虚偽の確定申告書を提出し、もつて被告会社の右事業年度の正規の法人税額と申告税額との差額四、五九八、五〇〇円を免れ、

第二、 昭和四三年二月一日から、翌四四年一月三一日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額が八〇、三八九、七二九円であり、これに対する法人税額が二六、一四八、五〇〇円であるのにかかわらず、昭和四四年三月一五日前記所轄税務署において、同税務署長に対し、所得金額は、三六、二九三、〇六〇円であり、これに対する法人税額は一〇、七四二、一〇〇円である旨の内容虚偽の確定申告書を提出し、もつて被告会社の右事業年度の正規の法人税額と、申告税額(みなし申告税額三、五七一、九〇〇円を加え計一四、三一四、〇〇〇円)との差額一一、八三四、五〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一、 被告人川村哲夫の当公判廷における供述

一、 同被告人ほか二名作成の上申書三通(昭和四四年一二月六日付、同年一一月一八日付、同年一二月二日付)

一、 同被告人ほか二名作成の答申書五通(昭和四四年一二月一九日付、同年同月二三日付、同年同月三日付、同年同月一三日付、同年一一月二一日付)

一、 同被告人ほか三名作成の上申書一通(昭和四四年一一月二〇日付)

一、 同被告人ほか一名作成の答申書二通(昭和四四年一一月二〇日付、同年同月二四日付)

一、 同被告人ほか一名作成の上申書一通(昭和四四年一二月一八日付)

一、 同被告人の大蔵事務官に対する質問てん末書三通

一、 同被告人の検察官に対する供述調書二通

一、 登記官高田金四郎作成の登記簿謄本

一、 逋脱所得金額に関する合意書面一通

一、 大蔵事務官山本二郎作成の脱税額計算書二通

一、 押収してある法人税決議書一冊(昭和四六年押第九一号の一)

(法令の適用)

一、 被告人川村哲夫の判示各所為、法人税法一五九条一項(罰金刑選択)

一、 被告人相互宅建株式会社の判示各所為同法一五九条一項、一六四条一項

一、 併合罪の加重、刑法四五条前段四八条二項

一、 換刑処分、同法一八条

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 猪瀬慎一郎)

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